京都・やきもの倶楽部

           ■ ギャラリー


京都・やきもの倶楽部 第4回作品展
平成28年11月8日〜11 月12日
賛助作品



市川 博一 (陶芸家・京都府)

高:43×幅:24×奥:12 (cm)
時間の経過をイメージした作品です。赤土で手びねり成形し、素焼き後白化粧して本焼き。赤の上絵の具で着彩しています。

丹頂水指

今井 眞正 (陶芸家・京都府)

高:24×幅:20.5×奥:29 (cm)
茶室空間に動物を型取った道具は少ないですが、ストーリーを作る意味でもこういった造形物があってもいいのでは?という提案です。

水指 霞

加藤 丈尋 (陶芸家・京都府)

高:16.6×幅:15.5×奥:15.5 (cm)
ロクロ成形した後に線刻を施し、黒釉本焼成および銀彩した作品。

紫紅彩雄花瓶

谷口 正典 (陶芸家・京都府)

高:21×幅:18×奥:17 (cm)
自然の空と雲の情景を四種類の釉薬で表現しました。

碧の海

谷口 良孝 (陶芸家・京都府)

高:18×幅:19×奥:19 (cm)
トルコ系の釉薬を用いて海の中の神秘的な雰囲気を表現しました。



寺池 尚孝 (陶芸家・京都府)

高:48×幅:30×奥:25 (cm)
二羽の鳥に想いを託して …
午年生まれの僕

森田 隆司 (陶芸家・京都府)

幅:40×奥:40 (cm) (人形6体) 
1954年、午年生まれ。今までの汗を流して体験したスポーツ、その時々のことを懐かしく思い出す。

黒樂茶椀

吉村 樂入 (陶芸家・京都府)

高:8.5×幅:12×奥:12 (cm)
天然の加茂川石を釉薬に使用し、独特の引き出し焼成をした宗易形の茶椀です。
              受賞作品   (講評 今井眞正)
京都やきもの倶楽部 会長賞

釉象嵌彩飛棒平壺
〜夏の終わりの風物詩〜


吉田 貢 (会員・京都府)

高:21×幅:41×奥:41 (cm)
夏の終わりに赤トンボが群をなして飛ぶ姿が走馬灯のように心に蘇る。高校三年、受験生。昆虫に夢中になり、野山を走り回っていた。

講評
吉田貢さんの「釉象嵌彩飛棒平壺」は多くの審査委員から高い評価を得、今回の受賞が決まりました。ゆったりとしたおおらかさも感じる形に無数のトンボが釉彩により描かれていて、そのおおらかな形と直線的なトンボの反復が色彩も相まってうまく表現されており、秋の輝きを失った緑の中に無数に飛ぶ赤とんぼが舞う情景を感じることができました。
京都やきもの倶楽部 副会長賞

ホルンの調べ

宮崎 薫 (会員・岡山県)

高:65×幅:33×奥:40 (cm)
アルブホルンをイメージして制作しました。オブジェというよりは、花入れとして楽しむことができればと思います。

講評
宮崎薫さんの「ホルンの調べ」は評価が分かれるところではありましたが、その作品の天に向けて広がる力強さが印象的な作品でした。また、焼き締めの焼きこまれた力強さはやきものの醍醐味を感じることができましたが、ホルンの円推形以外の補助的につけられた部分がカタチの中での必然性に乏しいところが今後の課題であると思います。
京都やきもの倶楽部 吉村賞

蓋置 三猿の本音

増田 淳三 (会員・京都府)

高:6×幅:6×奥:6(cm)


講評

今回新設された吉村賞で第1回目の受賞に輝いた増田淳三さんの「蓋置 三猿の本音」は茶道具として使われる最低限の制約をクリアしながら、ユーモラスな猿のしぐさにいわゆる「見ざる言わざる聞かざる」から連想すると、少し違う部分が見る人へのテーマへの投げかけになり、より楽しみが増す表現になっていました。これは、技術的な部分から離れた表現の部分においての展開の面白さが期待されるものでした。
京都やきもの倶楽部 奨励賞

TABI 2016-5

玄 平 (会員・京都府)

高:31×幅:32×奥:17 (cm)
ニッポニテスにに意志はあった?流転の渦を旅する人。大河の一滴を思う彼の足取りは重くなり軽くなり、今日も続きます。

講評
玄平さんの「TABI 2016-5」はいわゆるメビウスの輪がテーマになった作品で、メビウスの輪が持つ不思議な世界に人が迷い込んだ情景が一目で感じられるもので、立体物でしか表現できない直接的な面白さが感じられる作品でした。また技術的にもやきもので制作するには大変難しいことへのチャレンジも見え、力のこもった作品ではないかと思いました。ただ終わりのない流転は大変重いテーマの作品で、ニッポテニスのようにひとつ出口があれば、アカリが見えると思ったのは、作品評以外の私が感じた部分です。
京都やきもの倶楽部 奨励賞

夢追えば

平須賀 三郎 (会員・千葉県)

高:24×幅:16×奥:16 (cm)
大胆な造形って何だろう、現代陶芸って何だろうという未だ解の見つからない難問への挑戦から生まれた最初の作品です。

講評
平須賀三郎さんの「夢追えば」は、文句なしに美しい作品でした。もう一つ出品された作品も、技術的にはある到達点に達せられており、二点共に審査委員を唸らせる出来のものでした。会長賞にならなかった理由を考えてみると、いわゆるパンチに欠けるのが原因ではないかと思っています。内向的につき詰められた造形やアイディアなどが、展覧会などで他の作品と並ぶと沈んでしまうのではないかと思います。これは、作品がもっと外交的に雄弁に語る部分を前面に押し出す必要があるのではないかと感じています。次なる展開を期待したいと思います。
京都やきもの倶楽部
 清水焼の郷賞


ONAGA

安部 邦子 (会員・神奈川県)

高:28×幅:36×奥:25 (cm)
涙形の壺をロクロでひいて2つにカット。角度を変えて鶏のボディとしました。目つきの悪いところがチャームポイントです。

講評
阿部邦子さんの「ONAGA」は、轆轤で創られた張りのある形を組み合わせて躍動感のある鳥に仕上がっている秀作です。また、張りのある形の組み合わせの中に、また轆轤で作られた尾の部分が作品に力強さを与えています。面の構成もよく練られたもので、その計算された構成の中でとぼけた表情が全体の印象を柔らかいものにした良い作品でした。
京都やきもの倶楽部
 清水焼の郷賞


踊る夏草

片岡 俊彦 (会員・京都府)

高:91×幅:171×奥:10 (cm)
刈っても刈っても生い茂る夏草、その生命力の強さには感心させられる。よくよく見ると、夏祭りのように自由気ままに踊っている。

講評
片岡俊彦さんの「踊る夏草」は、スケールの大きな力作で、カラフルなパーツの組み合わせでともすれば硬くなりがちな幾何形体の連続を、踊ると言うテーマにのせて躍動的にかつのびやかに表現した豪快な作品でした。こののびやかさを立体的に表現すれば、どのようになるのか期待しております。



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