京都・やきもの倶楽部

            ■ 会員紹介


陶芸家・会員の横顔………陶芸への想い
  片岡 俊彦  (会員・京都府)
 陶芸を始めて14年になります。その間の成り行きは会報第15号に書かせて頂きました。
 戦後まもなくして始まった前衛芸術の嵐は絵画の世界にも、陶芸の世界にも吹き荒れました。絵画では具体美術協会、陶芸では四耕会、走泥社がその先端を走っていました。昭和20年生まれの私は学生時代に美術クラブに所属しており、先輩たちに教えられた具体美術の格好良さに傾倒して過ごしました。そのモットーは「だれもやっていないこと」「これまでにみたことのないもの」ということですから非常に単純で、判りやすい理念でした。ベニヤ板2枚ほどの大きさに当時開発されたきれいな色の出る塗料を用いて描くアンフォルメルの世界を楽しんでいました。社会人になってからは仕事のほうが面白くなり、すっかり創作活動とは離れていたのですが、停年が近づくにつれて陶芸の世界で、もう一度ものづくりを始めようと思い立ちました。ロクロを轢き、タタラ造りに励んでいるうちに、陶芸の世界にも前衛陶芸(オブジェ焼き)があることを知りました。そのノリで今日に至っています。
 右の写真は、昨年の第1回藝文京展で入選した作品です。作品は京都芸術センターで3週間ほど展示していただきました。それが終わって作品を引き取りにいった際に、係の若い方から「この作品はあなたのものでしたか。もっと若い方が造られたものと思っておりました」と言われ、なにやら元気が出てきました。



「秋祭り」 高36×幅18×奥15(cm)




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