京都・やきもの倶楽部

            ■ 会員紹介


陶芸家・会員の横顔………陶芸への想い
  増田 淳三  (会員・京都府)
 陶芸を始めたのは2000年頃、ゴルフが趣味だけでは何れ限界と、偶然知った五条坂の陶芸教室で習い始めました。教室は遺構の登り窯の横で雰囲気満点。その頃、故藤平伸先生(京都芸大名誉教授)がご健在で、時々教室の横で、ご高齢ながらも誠にメルヘンティクな作陶のご様子を拝見して、豊かな表現が出来る立体作陶の世界を知りました。習う内、風鈴の制作課題があり、薄くすれば響くはずと、直径10ミリ位、厚さ1ミリ以下の小片を繋ぎ積み上げる方法を思いつき、薄い風鈴が仕上がりました。その後、同じ方法で大きい造形物を目指し、試行錯誤しながら仕上げたのが下の写真です。何しろ厚さ5ミリで60センチはあるので、こんなもの焼いたらヘコタレルで!と窯元の先生ご心配の中、無事に焼成。これをアートギャラリー2010(京都府城陽市主催の公募展2016年より全国公募)に出品した所、図らずも賞を頂きました。立体部門審査委員長の川上力三先生(元走泥社)より、“あまり見かけない技法で丁寧な作りで力強い”とご講評を頂戴し、大先生のご好評に気を良くして、この方法をライフワークに決めました。その後、技法は熟練し完成度は向上したものの、次第に、つまらなく、初めの頃の無作為の自然さが消えてしまいました。講評者にお尋ねすると“よく有るパターンです”と一喝。成るほどと納得ですが、はて、これは難儀な事になったと自らの創造力の幼稚さに嘆いているこの頃です。京都・やきもの倶楽部作品展は全国各地から、誠にユニークな作品が持ち寄られ、最も刺激を受ける場、私も精進を重ねたいと勇気をもらっています。



「大地礼賛」  高35×幅60×奥22(cm)



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