京都・やきもの倶楽部

              ■ 活動

特別講座 「黒樂茶碗を作ってみよう」
 昨年は特別講座「赤楽茶碗」を開講しましたが、結果は一般の参加者も含めて募集人数を超える多くの方々にご参加いただき、好評を博しました。今年は、赤楽よりも高温焼成となる「黒楽茶碗」に挑戦することに致しました。焼く温度は赤楽の 900度に比べると、黒楽では1200度となりますので、窯の状態はまるで違っています。窯の入り口は閉じていてもその隙間から赤い炎が吹き出し、煙突の先も炎が長く吹き上がっています。そこに窯の蓋を開け、自分の作品を火箸で挟んで出し入れします。火箸の長さはかなり長いのですが、作品を窯の中の定位置に置くためには炎の際まで接近する必要があり、また結構時間も掛かります。安全のため、頭、顔、首筋を手拭いで隠し、体は燃えにくい綿製の服装で覆います。窯に最も近づく手先は軍手の上から消防士の使うような手袋をはめます。このような出で立ちで順番を待つ現場の空気はすごい緊張感に包まれていました。
 前回に引き続き、講師として本年から当倶楽部理事に就任されました吉村樂入先生をお招きし、ご指導をお願いしました。さらに、今井眞正会長、森田隆司理事、市川博一理事の諸先生方にも講師として参加していただきました。
作品制作は2日間に渡って行われ、第1日目は清水焼団地にある清水焼の郷会館で、第2日目は吉村先生の工房にある「楽入窯」で実施いたしました。出来上がった作品はこちらをご覧下さい。

              第1日目 「成形」と「削り」

                日時: 平成29年2月4日(土) 
                場所: 清水焼の郷会館 (京都市山科区)


会場風景


各自成形に奮闘中



「成形」工程


ボール状の土を用意して…、 ロクロの上に置けば、こうなる。  親指をぐっと入れて…、        穴を開ける     


高台を両手で固める。       原型ができる。         内から外へ押し出す。      形を整えて…、  


茶碗らしくに。           少し上に伸ばす。         略目標の高さに。         縁を整える 


  形になってきた。       外形を決めるのが大事。   茶碗の形が出来上がった。  削りに向けて電気窯で乾燥



「削り」工程


削りの開始、まず高台から。   茶碗の外が決まった。       五山は自然に。         高台は作者の想い。 


高台をカンナで削る。      形はこれぐらいに。      カンナを寝かせて使い…、       風景を出す。 


内削りカンナ多数。    内側削りは真髄、先生も慎重。   断面はこんな感じ。        厚みを整える。 




              第2日目 「施釉」と「焼成」

                日時: 平成29年2月26日(日) 
                場所: 京焼き・清水焼 「樂入窯」 (京都市南区)


会場風景


この日はグループに分かれて講義を受ける。



「施釉」工程



 ペーパーで掃除する。     ダストも吹き飛ばす。   これから秘伝釉薬の刷毛塗り。   先ずは高台から…、

                        
次に外側を塗り…、    最後に内側と縁を仕上げる。                                   


「焼成」工程


  窯への出し入れを練習。  すでに準備は整い、唸る窯。   煙突からは吹き出す炎   温度は1193度、頃は良し。


扉を開くと灼熱の1200度。     装備は完全に。         ビビらないで立ち…、       しかし、熱い。   


灼熱の茶碗を取り出す。   各様の耐熱服で備える。     見習い、挑戦する。      女性も果敢に挑戦。

                        
取り出した。これで良し。  一服、先生の話に耳を傾ける。                                     



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